災害時や避難生活で、メガネ・コンタクトユーザーが困るのが「視力的に見えない問題」。
お水や食料は一生懸命、準備していたがメガネやコンタクトのことは忘れていた!という方も少なくないようです。
災害時は「見えるか、見えないか」で生死が別れることもあり得ます。
今回は、メガネ・コンタクトユーザーの方のための「目の備え」についてご紹介します。
災害時にコンタクトはおすすめできない
コンタクトを使うには、何よりも「衛生面」が大切です。
災害時には断水が起こることもありえます。
綺麗な水で手をしっかりと洗えない状態では、目に細菌が入ってしまう危険性もありますのでコンタクトを使うのはおすすめできません。
また、災害の規模によっては辺りに瓦礫があったり、そこから粉じん(細かなゴミやちり)が舞っていたりすることもあります。
粉じんが目に入るとアレルギー性結膜炎を起こします。
コンタクトを使っているとよりひどくなってしまい、角膜に傷がついたりなど「眼病のリスク」が高まり、のちのちの生活にも影響を及ぼします。
過去の震災直後には、緑内障などの普段から使っている治療の点眼液よりも
アレルギー性結膜炎を抑える点眼液の方が必要度が高かったという報告もあります。
ご自身の目を守るためにも、できるだけメガネに切り替えることをおすすめします。
(参考)さど眼科 「東日本大震災の被災者」より
防災リュックの中に必ず「予備のメガネ」を
しかし、コンタクトが危険だからと言って裸眼で過ごして足元がまったく見えないというのも問題です。
慣れた道や場所であっても、
災害時には瓦礫やガラスの破片が散らばっていたりといつもの何倍も危険があります。
そんな時のために、持ち出し用の防災グッズの中に必ず「予備のメガネ」を入れておきましょう。
また、普段からメガネを使用している方でも
災害の衝撃で身につけているメガネを紛失してしまう可能性があります。
普段使っているものとは別に「予備のメガネ」を用意しておきましょう。
メガネを作り替えた際の古いメガネを取っておいてもOKです。
Memo
メガネは人それぞれの視力に合わせて作られています。
「近視のメガネだから」「視力0.1のメガネだから」と言っても自分以外のメガネでは見えづらかったり疲れやすかったりします。
無理に度が合わないメガネを使い続けると、眼痛や頭痛に繋がります。
必ず、自分の視力に合わせたメガネを用意しておきましょう。
いつからコンタクトを使えるの?
では、避難生活ではいつからコンタクトを使えるようになるのでしょうか。
日本コンタクトレンズ協会では以下のように呼びかけています。
コンタクトレンズ装用は
①水道水が使用可能となり
②安定した医薬品の供給がされ
③眼科医への受診や相談が可能な状況が整うまでは、原則として中止をしてください。
また、避難生活では余裕の無さからいつもとは違う使い方をしてしまい、
目のトラブルに繋がってしまうことも多いようです。
- 普段よりも長時間つけたままにしていた
- 替えのレンズが無かったので、つけたまま眠ってしまった
- 洗浄液や保存液などのケア用品が無かったので、消毒せずに再利用した
- コンタクトを水で洗って使った
など…。
コンタクトを使っていて、目の充血、痛み、ゴロゴロした異物感があったり
コンタクトをつけているのに物がよく見えなくなった場合は
すぐにコンタクトを外して、出来るだけ早く眼科で診察を受けましょう。
(参考)コンタクトレンズ協会 災害支援サイト「CL装用者への注意」より
まとめ
災害時や避難生活では、衛生面の問題からコンタクトの使用はおすすめできません。
必ず、防災グッズに「予備のメガネ」を準備しておきましょう。
やむを得ず、コンタクトを使用する場合は
衛生面に十分注意して、使い方のルールを守り、異変があればすぐに外すなどして
自分の目を守りながら上手に使っていきましょう。