2023年7月、世界平均気温が観測史上最高記録を大幅に更新し、国連は「地球沸騰化」という衝撃的な表現を用いて警鐘を鳴らしました。
しかし、昨年2024年は2023年をさらに上回り、観測史上最も暑い1年になってしまいました。
この先、どこまで気温が上がるのか。言葉では表現しきれないほどの危機的状況に陥らないためにも、私たちは今、行動を起こさなければなりません。
目次
地球温暖化って何?
地球温暖化とは

地球の気温は年々、高くなり続けています。日本の気温だけでなく、世界中の気温、そして海の温度までもが異常な速さで上昇しています。
2024年の世界平均気温は産業革命以前と比べて1.55℃も上昇しています。
「たった1.55℃」と思うかもしれませんが、もしあなたが地球そのものであったならどう感じるでしょうか? 平熱が1.55℃も高い状態を想像してみてください。常に微熱が続いて、体がだるくてフラフラです。これがさらに2℃、3℃高くなってしまったら…。
地球は毎日、寝込んでしまうような状態になってしまいます。
なぜ温暖化になるの?

人間が生活する中で、石油や石炭などを大量に使い、森林を切り開いてきた結果、空気中の温室効果ガスがどんどん増えてしまった事が原因と言われています。
昔は緑が多く、二酸化炭素の排出が少ない生活をしていましたが、今は工場や自動車が増えて二酸化炭素の排出が増え続けています。
これからも豊かな暮らしを続けたいのであれば、「使う」だけではなく、「生み出す」ことが大切な時代になりました。私たち一人一人が、どうやって地球と共に生きていくかを考え、積極的に環境を守る行動を起こしていくべきです。
地球温暖化の現状

ここ最近、これまでに例がないほど、世界各地で多数の異常気象が続いています。
昔の異常気象といえば「日照不足」や「干ばつ」が思い浮かびますが、今は「暑さ」や「大雨」が頻繁に起こっています。日本でも記録的な暑さが続き、局地的な豪雨が頻発しています。
そして、昔のように四季がはっきりと感じられなくなり、春や秋が1ヶ月くらいに縮まってしまったと感じる人も多いのではないでしょうか。
自然のリズムが狂い始め、私たちはその影響を身近に感じるようになってきています。
温暖化によって何が起こるの?
温暖化によって大雪になる!?

温暖化によって大雪となるというのは、一見矛盾しているように思えるかもしれません。しかし、実は温暖化が進むことで、逆に雪が増える恐れがあるのです。
地球の気温が上昇すると、夏の暑さが厳しくなる一方、冬の寒さは軽減される傾向にあります。実際、近年では全国的に「冬日」と呼ばれる最低気温0℃未満の日数が減少しています。
しかし、この温暖化が雪を増やす原因にもなっているのです。
では、なぜ温暖化が雪を増やす原因になってしまうのでしょうか。
地球の気温が上がることで、海水の温度も高くなり、その影響で蒸発が盛んになって空気中に水蒸気が大量に放出されます。この水蒸気が雲を発生させ、発達することで、雨や雪が降る時にはいっきに降ってしまうことが考えられます。さらに、そのタイミングで寒気が流れ込むと予想外のドカ雪が降ることになってしまうのです。
これまでの寒冷な気候に慣れていた地域でも、温暖化が引き起こす異常気象が影響を及ぼし、突然の大雪となるなど、気象のパターンが変わることがあるのです。
つまり、温暖化が進むと、全体的には気温が高くなる一方で、予想外の大雪といった極端な気象が増える恐れがあるのです。
温暖化は山火事の原因にもなる!

温暖化が山火事の原因となることは、近年多くの研究で明らかになっています。アメリカ・ロサンゼルスで発生した大規模な山火事も、その例の一つです。解析結果によると、この山火事の原因として、人為的な気候変動が大きく関わっていることがわかっています。
特に、気候変動により、ロサンゼルス周辺では高温、乾燥、強風といった悪条件がより頻繁に発生するようになっています。これらの条件が揃うことで、山火事のリスクを大幅に高めているのです。
具体的には、こうした悪条件は17年に1度の頻度で発生し、気候変動がなかった場合に比べて35%も高かったとされています。
また、昨年の10~12月はほとんど雨が降らず、草や低木が乾燥してしまいました。乾燥した植物が燃えやすくなり、強風が加わることで、火をさらに広げる原因となったのです。
このように、温暖化による気象の変化が、山火事を引き起こす要因となり、それがさらに広がるという悪循環が生まれています。
気候変動が進むことで、これからもこうした山火事のリスクは増えていくと考えられています。このため、気候変動対策を講じることが、自然災害の予防にも繋がるのです。
これ以上温暖化が進むと地球はどうなってしまうのだろう
気候の変化

現在の対策のまま気温が上昇し続けると、今世紀末には産業革命前と比べて最大5.7℃上昇すると予測されています。
これにより、氷河が溶け、海面が上昇し、陸地が失われるかもしれません。また、それに伴い動物たちの絶滅や、生態系の大きな変化が起こる恐れもあります。
日本近海の水温が高い状態が続くと、台風の発生頻度が増し、強力な台風が日本を直撃するリスクが高まります。この場合、避難の時間さえも限られ、私たちの安全が脅かされることになります。
人体への影響

夏の暑さは年々厳しさを増し、熱中症のリスクが確実に高まっています。
しかし、問題は夏だけにとどまりません。春や秋も異常な高温が続き、1年の半分以上、熱中症の警戒をしなければならないかもしれません。
さらに、暑さの影響で、新たな感染症が日本に上陸するリスクも増大させています。
また、深刻な問題として、水と食料の不足が挙げられます。地球温暖化によって地球の環境は大きく変化し、農作物の育成や漁獲量が影響を受ける恐れがあります。
食料自給率の低い日本にとって、水・食料不足は直視すべき問題だといえます。
温暖化が進まないために、私たちが出来ること
節電を心がけよう!

ムダな電気を使わない事は、今すぐ実践できる大切な一歩です。使用エネルギーを減らすために、省エネ家電を積極的に選ぶことを心がけましょう。
また、エアコンを使う前に、服装で温度調整をすることも効果的です。
なるべく徒歩や自転車などの公共交通機関を利用しよう!

大切なのは、車の利用を減らしたり、公共交通機関を利用する時間を増やしたりすることです。
例えば1駅分歩いたり、エレベーターではなく階段を使うことは、健康のためにもGOODです。
フードロス対策をしよう!

食べ物を残すと、それが「ゴミ」になってしまい、そのゴミを処理するためにまたエネルギーが必要となります。これでは、ダブルでもったいないですね。
生ゴミを減らすためには、食事を無駄なく食べることを心がけましょう。
また、スーパーではなるべく棚の手前の商品を取るようにすることで、賞味期限が近いものが優先的に使われ、「ゴミ」を減らすことができます。
ゴミを減らそう!

大切なのは、物をゴミにしないように丁寧に使うことです。壊れたものは修理や補修ができないか考えてみましょう。
また、使い捨てのプラスチックなどはなるべく避けることが大切です。捨てる際には分別も忘れずに行いましょう。分別することで、「ゴミ」が「資源」に生まれ変わることがあります。
買い物にはエコバッグを持参しよう!

レジ袋が有料になってから、エコバッグやマイバッグを使う人が増えました。私も折りたたんでカバンに常に入れておき、繰り返し使うことで資源のムダを減らしています。
レジ袋が海洋生物に誤って飲み込まれることを防ぐためにも、エコバッグを使うことは、海洋環境の守る一助にもなっています。
まとめ

くぼてんきが気をつけていること
無理をしても続かないのは、夏休みの宿題と同じですよね。大切なのは、できることをコツコツと続けることです。
そして、一人だけで頑張るのは「持続」するのが難しくなります。
だからこそ、周りの人を巻き込んで楽しく無理なく続ける方がいいと思います。
2025年3月15日、横浜市緑区で開催される講演会は、きっと皆さんにとって役立つ内容になるはずです。 ぜひご参加いただき、一緒に学びながら楽しく取り組んでいきましょう。
お待ちしています!
くぼてんき
日本テレビ「 ZIP! 」気象キャスター。はまっ子防災プロジェクト公式アンバサダー。気象予報士、防災士、こども環境管理士。東京都認定大道 芸人ヘブンアーティスト。
