地震・津波

東日本大震災から13年  著:くぼてんきさん

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はじめに

能登半島地震から2ヶ月が経ちました。まだ余震があったり、断水が続いていたり、日常を取り戻せていない方がたくさんいらっしゃいます。一刻も早い復旧・復興をお祈り申し上げます。

そして、3月11日は東日本大震災から13年になります。

今回は「能登半島地震」や13年前の「東日本大震災」の教訓から、神奈川でも想定される地震や備えなどについて考えていきたいと思います。

風化させてはいけない東日本大震災

2011年3月11日(金)午後2時46分、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が発生しました。
マグニチュード9.0、最大震度7の地震で、死者・行方不明者が約2万人。15メートルを超える津波により、福島第一原子力発電所事故も起きてしまいました。また、原発事故の影響でふるさとを離れ、今なお多くの方が避難生活を余儀なくされています。

震源が海だったこともあり、大津波が襲来し、たくさんの方が犠牲になりました。東日本大震災における死因の約9割は、津波に巻き込まれたことによる溺死でした。多くの遺体が離れた場所で発見されるなど、津波の威力を物語っています。

改めて海に面している地域は「津波」への備え、対策が必要となります。

能登半島地震では、津波が到達するも死者が出なかった地区があります。石川県珠洲市三崎町寺家の下出地区です。帰省中や初詣客も含め約180人全員(普段は約90人が暮らす)が無事だったそうです。この地域では、東日本大震災がきっかけで津波への意識が高まり「何かあったら(高台にある)集会所へ」という合言葉が多くの命を救う結果となりました。神奈川県や海に面している他の地域でもこの教訓を生かさなければなりません。

起こったことを「教訓」に私たちがすべきこと

自分事として考えることが大切

地震が起きた時にいる場所や時間によって、状況は変わってきます。自宅にいるのか、職場にいるのか、旅行中で初めての場所にいるのか。その時に慌てないように、事前にハザードマップなどで危険個所を把握することが大切です。

震災遺構や伝承施設を訪ねてみよう

東日本大震災により、東日本の太平洋沿岸500kmにも及ぶ広い範囲が甚大な被害を受けました。各地の被災の実情や教訓を伝える施設がたくさんあります。

「3.11伝承ロード」は「津波石碑」や「伝承館」などを通して、防災に関する学びや備えを日本中に発信し、東日本大震災を忘れないように未来へ伝え続けていく取り組みのことです。

教訓が「あなたの命」を、そして「あなたの大切な人の命」を救います。

防災イベントに参加する

大規模災害において、近隣住民との助け合いが(自分と家族の)命を守る第一歩になります。
なぜならば、大規模災害において公的な救助や援助をうけられるまでに、何日もかかる可能性が高いからです。その場合、ご近所同士による救助活動や家族の安否確認、孤立の防止、情報収集がとても重要になります。
日ごろからご近所とのお付き合いを大切にし、地域の防災訓練などに必ず参加するようにしましょう。

「自分たちの街は自分たちで守る」ことが大切です。

「地震10秒診断」をやってみよう

防災科学技術研究所が運営しているWEBサイトで「地震10秒診断」(出典: https://nied-weblabo.bosai.go.jp/10sec-sim/)というものがあります。お住まいの地域を入力(もしくは位置情報をオン)すると、その場所で大地震が起きた時のライフラインが復旧するまでにかかる予想日数が表示されます。

例えば横浜市西区ですと、停電日数が6日、ガス停止日数が34日、断水日数が50日となります。

能登半島地震で被災された方のお話を聞くと、やはり水が使えなかった事が辛かったとあります。水がないと、水がないことで水分の摂取量が減り、血液に血栓ができやすくなりエコノミークラス症候群になってしまうおそれがあります。

そのようなことにならないために、長期保存できる水などを備蓄しておくことをお勧めします。そのほか、給水所から水を運ぶためのウォーターバッグもあると安心です。

災害時、一番困るのはトイレの問題です。
成人が1日のうちトイレを使用する回数はおおよそ5回から7回。想像以上に必要です。ただし生活や体質による差があるため、自分自身や家族がどれぐらいの頻度でトイレを利用しているか、改めて意識してみましょう。
災害用トイレの特徴がさまざまですが、ポリ袋、新聞紙、大人用おむつなども使えます。今後は、移動式トイレや水を使わないトイレなどが増えてくるかもしれません。

神奈川県で想定される地震

「直下型」「海溝型」いずれの地震も起こる可能性がある

能登半島地震は直下型の地震、東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)は海溝型の地震でしたが、直下型の能登半島地震の方が早く津波が到達しました。

神奈川県には震源になりえる「活断層(伊勢原断層・三浦半島断層群など)」「相模トラフ」などが存在しています。県のホームページには今後想定されている地震の情報が掲載されているので、参照してみてください。

神奈川で想定される地震

・都心南部直下地震、マグニチュード7.3
・三浦半島断層群の地震、マグニチュード7.0。
・神奈川県西部地震、マグニチュード6.7。
・東海地震、マグニチュード8.0。
・南海トラフ巨大地震、マグニチュード9.0。
・大正型関東地震、マグニチュード8.2。

いつ、どこで起こるかはわかりません。いまできる備えをしておきましょう。

(参照先:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bousai/1_87_9_9.html 神奈川県公式ホームページ 神奈川県で想定される地震)

くぼてんきさんのお話をきいて

東日本大震災から13年がたちましたが、私たちはこのことを決して風化させてはいけません。
起こったことを教訓として、いつ起こるかわからない大災害を見据えて、私たちがすべきことをくぼてんきさんに語っていただきました。
自分や大切な人の命を守るために、過去の災害を学び、防災についてを見つめなおしてみましょう。


最後に、1月1日に発生した能登地震で被災されたすべての皆さまに、改めて心よりお見舞い申し上げます。
能登をはじめ北陸地方の早期復旧、復興に向け支援の輪を広げていきたいと願っています。(SONAETERUスタッフ)

くぼてんき

日本テレビ「 ZIP! 」気象キャスター。はまっ子防災プロジェクト公式アンバサダー。気象予報士、防災士、こども環境管理士。東京都認定大道 芸人ヘブンアーティスト。

くぼてんきさん
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